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ちびドラマーチ

神奈川在住の1児の母です。妊娠期間の半分以上、本気で苦しんだつわりのこと。子育てのこと。大好きなドラマのレビュー書いています。

映画「ぼくたちの家族」ネタバレ感想~今すぐ家族に電話したくなる良作

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 映画「ぼくたちの家族」ネタバレ感想

 

ぼくたちの家族

早見和真の小説「ぼくたちの家族」が原作の映画を見ました。この作品は著者の早見さんの実体験を元に描いた作品です。お母さまの余命宣告後に執筆されたというのを鑑賞後に知りました。温かく、リアリティを感じられたのも納得です。

監督は「舟を編む」で数々の映画賞を受賞した石井裕也監督です。小説の方は未読で、何の先入観もない状態で見ました。

母を助けるために家族の男たちが奮闘するのですが、ダメっぷりがもどかしくて何だか愛しい不思議な感覚に陥ります。私は涙を流す感動作ではないが、家族の大切さがじんわりと心に響きました。個人的にはかなり良作の部類に入るだろうと思うほどの素晴らしい映画でした。

この感想はネタバレ要素を含みますのでご注意下さい。

主な登場人物 若菜家の人々

  • 若菜浩介(妻夫木聡)

若菜家の長男、サラリーマンで既婚者。嫁の深雪は妊娠3ヶ月である。中学時代に引きこもりになった経験があり、そのことで家族には迷惑をかけたと思っている。現在は寡黙な性格。長男故に、家族の危機を自分が何とかしなくてはと責任感にかられ家族の為に奔走する。

  • 若菜俊平(池松壮亮)

若菜家の次男、大学生だが留年中。兄とは違い世渡り上手なお調子者で、お金が無くなると母親に要求している。典型的な甘え上手な次男坊。若菜家の危機の中、以外にも一番冷静な行動を取れる度胸のある一面もある。

  • 若菜玲子(原田美枝子)

母親で専業主婦。少し天然気味のおっとりとした性格、息子たちの事が大好き。ハワイも好き。物語冒頭部分から物忘れがひどく本人もそれには気づいている様子。突如として病が発覚し、余命一週間を宣告される

  • 若菜克明(長塚京三)

父で小さい個人会社の社長。家族の事には無頓着で母の玲子任せにしている。会社の経営状態は思わしくなく危ない状態であるが、家族には話していない。

母が余命一週間を宣告される

若菜家はどこにでもありそうな普通の家族でした。東京の郊外に一軒家暮らし、自営業の父に専業主婦の母、そして二人の息子たち。

しかし、突如として母の病気が発覚し生活は一転します。物忘れ多く、人の名前を間違えたり忘れたりする事も多く、念のため病院に連れて行くが、そこで家族は衝撃的な宣告を受けます。

脳に7つもの腫瘍が出来ていて、かなりの大きさに達している

あと1週間位が山場になるでしょう

 一週間・・・、今まで普通に生活していられたのに、あと一週間なんて信じられない。受け入れられるはずがない。そんなの、絶対に無理だ。

浩介から母の診断を聞かされた父の、「一週間って何の単位だ?」と言う言葉には何か胸をえぐるような重みがあった。そうです、普通はまず何の単位なのか理解できないのみこめない。自分の家族があと一週間の命だと宣告されたら、一体どんな気持ちになるのだろうか・・・。ぐるぐると考えてみたけれど、何も浮かんでこなかった。

無・・・・・・・、無でしかない。

長男の嫁が冷たすぎやしないかい?

脳腫瘍が見つかりすぐに入院した母。突然の出来事にあたふたするだけの父と、楽観的な弟を見かねて長男が奮闘する。仕事と病院の往復で疲弊するが、浩介の嫁はあまりにも冷たかった。

妊娠3ヶ月で体調が悪いと言い病院には一切来ようとしない。これは別にいい。妊娠初期は体調不良が続くものだしと、つわりが酷かった自分は一瞬思ったが、すぐに思い直した。どう見ても元気そうなのだ。ぴんぴんしている。つわりに苦しむ様子はない。

そして夫である浩介に信じられない言葉を投げかける。

貯めてきたお金は子供の為

あの人たち何で節約しないんだろ?

いくら必要なんですか?

それ、今すぐに言う必要ある?自分の両親が同じ目にあっても同じこと言えるの?それに、言い方もヒデェ・・・。私はこの登場人物の中では一番嫁に近い立場、年齢だけどまっっったく共感出来ない。確かに貯めてきたお金は子供の為だよ、分かるよ、でも真っ先にそんな突き放すように金の話かよ。そんなに旦那を追い詰めてどうする。

多額の借金に引く

母の入院で若菜家の経済状況を知ろうと調べた兄弟は、多額の借金があることを知る。

  • 父の会社の借金6000万
  • 家のローンの借り入れ1200万
  • 母の借金300万

おいおいおいおいおい!!これを子供に黙ってるってどういう神経してんだよ!

自己破産しようにも、家のローンは浩介が連帯保証人になってるからしようにも出来ない。自分の子供を連帯保証人にするなよ。母親は生活費なのかなんなのか何社からもお金を借りていることが発覚します。

ここで私の心は映画から一気に離れます。なんだよ、この家族。浩介が可哀想だと思わないのかよ。

病気になってから出た、母の本音

脳に腫瘍があると診断された母はだんだんと壊れていく。息子である浩介のことが分からなくなり、「あなた誰?」と言ったり、次男の俊平を元カレだと勘違いして「結婚したい」と話したり・・・。

でも病気になった母の口から出てくるのは嘘偽りのない言葉たち。家族には言えないような本音も、家族だと分からなくなると言えてしまいます。そして次男に話す、散々苦労させられた父への愚痴のあとに出た母の本音は・・・

お父さんと別れたくないの

辛いけど、あの人のことが好きだから

何だこれ・・・。

病気で辛いし悲しいけど、私もこんな風に旦那の事を思えるような歳の取り方がしたいなと羨ましくなった。本当に。本音を照れくさそうに話す母の姿がとても可愛らしく見えた。

借金発覚で一度は映画から心が離れたが、また引き戻された。そしてエンディングまで妙に惹きつけられて仕方が無かった。

セカンドオピニオン

医師からは、病状が進行しすぎてもう何も出来ることはない。最後は自宅で過ごした方が良いと匙を投げられた。しかし、兄弟は諦めなかった。借金のこともあるが、とりあえず可能性があるのならとセカンドオピニオンを受けようと奔走します。

兄が徹夜で病院を調べ、弟が訪ねてまわる。病院はどこも混んでいて2時間3時間待ちは当たり前、だけど、やる。今までどこか他人事で浩介に任せていた俊平が必死に動きます。

何件ももう無理だと断られたがついに見てくれる病院を見つけました。脳腫瘍だと診断されていたが、悪性リンパ腫の可能性があるとのこと。つまり、まだ治療する見込みがあるということ。

病院に行く前に俊平がテレビで見ていた占い、ラッキーナンバーが8でした。診察後にふと見た番号札は・・・88!!しかもちゃんとラッキーカラーの黄色に服を着て行った弟。あぁ・・・、こういうのには弱いんだよナァ。

兄弟っていいものだ

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photo credit: new room via photopin (license)

 

母はすぐに、悪性リンパ腫か調べるために手術を受けます。この時点で余命一週間と宣告されてちょうど一週間。もし脳腫瘍ならもう時間はないのですが、結果は悪性リンパ腫でした。

病院で待っていたのは父と浩介。弟の俊平は病院には行きません。というか行けませんでした。遅れてやってきて結果を聞き、真っ先に泣いたのは俊平でした。

ここでかなりじーーーーんと来た。

ひょうひょうと他人事のような態度は、平静を保つためだったのです。本当は、母を失うかもしれない恐怖が、怖くて怖くて仕方が無かったのに。

今回、あいつがいて良かったって、初めて思ったよ

浩介のセリフを聞いて、兄弟ってやっぱりいいよなぁと。いざと言う時に助け合えるのって幸せだよなぁと。

 

母は手術を受け、治療をし、改善の兆しが見えてきます。嫁も母に会いに来て一応ハッピーエンドです。借金は自己破産し、家のローンは外資系に転職した浩介、父で返していくことになりました。

まとめ、今すぐ家族に電話しよう、会いに行こう

この映画を見て、私は自分の家族とあと何回会えるんだろうと考えた。

30回は・・・会えるよな。じゃな50回はどうだろう、100回は・・・。あと何回、親とたわいない話が出来るだろうか。

大学生の時は、時間はあんなにあったのに今の生活が楽しくて中々帰ろうとしなかった。仕事を始めたら、今度は忙しくてそれどころではなかった。そうしている内にどんどん時間は過ぎて行って、おそらく生涯会える回数はどんどん少なくなっている。

子供を産んでから、親と言うのはこんなにも子供を好きだと言うのを知った。私もそうして育ててもらってきたのだ。旦那も一緒だ。

これからは、もっと電話し、会える時は帰省したい。色々な事を話して沢山楽しく過ごしたい。そう思わせてくれる作品だった。

 

母を失った父のあたふた感がすごくリアルで、あぁこの世代はこうなるだろうな。うちの父もこうなるだろうと少し可愛く思ってしまった(ムカつくのだが)

病院の付き添いも一人で出来ずに、夜中に何度も息子に電話する。セカンドオピニオンも探し回ったのは息子たち、借金問題も息子たち。どれだけ今まで母に甘えてきたのだろうか。

しかし、息子たちの姿に触発されて、浩介の嫁に頭を下げに行くシーンは父の成長を感じたのでヨシとしよう。

浩介役の妻夫木君が、何だか妻夫木君っぽく見えず物語に引き込まれた。次男役の池松君も凄く良かった。池松君ってこんなに演技上手なんですね。市川由依とのあの映画と、MOZUのイメージだったから知らなかった。ラストサムライにも出ていたなんて!映画も沢山出ていたんですね。

単純な感動ストーリーでは無いので、あからさまに泣かせに来る演出が嫌いな人にもおすすめです。心に訴えかけるものがあります。

 

 

www.tsuwari-hanako.com

 

 

 WOWOWで鑑賞しました。