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ちびドラマーチ

神奈川在住の1児の母です。妊娠期間の半分以上、本気で苦しんだつわりのこと。子育てのこと。大好きなドラマのレビュー書いています。

池井戸潤『陸王』凄まじい疾走感と爽快感!零細足袋屋がランニング業界に挑む

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池井戸潤『陸王』感想 最高に面白い零細足袋屋の挑戦!

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2016/11/11更新

 

池井戸潤の『陸王』を読みました。

私は600ページ近いこの本を一日で一気に読み切ってしまいました。いつもは少しづつ読み進めていくタイプなのだが、私を最初から最後まで惹きつけて離さなかった。

一言で感想を表すとするなら、すっげーーーー面白かった!!!

あらすじ以降は少しですがネタバレを含みます。なるべく肝心なところはネタバレしないように書きましたが、気を付けてください。

あらすじ

埼玉県行田市にある老舗足袋業者の「こはぜ屋」は創業100年の老舗である。しかし、足袋の需要は年々減少しており老舗といえども売り上げもそれに伴って減少しており、従業員は27名の零細企業です。

社長の宮沢紘一はこの苦しい状況を何とか打開すべく、攻めの一手に出る。それも社運を賭けた大きな挑戦だった。

足袋屋のノウハウを生かして、ランニングシューズを作りランニング業界に殴り込みをかける。

社長の宮沢の奮闘に影響され次々と加入していく仲間たち、息子の成長、経営者としての葛藤、ランニングシューズ作りに関わる何人もの視点、多くのエピソードが交錯しながら物語は進みますが、少しも中だるみすることなく一気にラストまで駆け抜けます。

100年の伝統か新規事業か

「こはぜ屋」は老舗の足袋業者だ。足袋の需要は年々減少しているとあるが、全く知識のない私にも苦しいのだろうなということは分かります。それは、数少ない和装をする機会でさえ、自分で購入はしなくても事足りるからです。今は振袖も袴もレンタルが多いし、足袋もセットの中に入っています。

足袋だけでなく、「こはぜ屋」の主力商品の地下足袋も安全靴の台頭により苦しくなっていたのです。

社長の宮沢はこのままでは何年持つか分からない、まだ力が少しでも残っている内に現状を打開しようと新商品の開発に取り掛かります。そして、偶然デパートのシューズ売り場で目にしたのがファイブフィンガーというシューズでした。[rakuten:culture:10156999:detail]

5本指のシューズを見て、足袋屋だからこそ作れるシューズがあるのではないかと考え新規事業として『陸王』の開発をすることを決意します。

『陸王』のモデルになったと言われているのが、きねや足袋のMUTEKIです。写真を見るとイメージが沸きやすいです。

 

シルクレイに人生をかけた男、飯山

陸王のソールに使用しようと宮沢が惚れ込んだ素材「シルクレイ」の特許を持っていた男が、元シルクール社長の飯山だった。繭を原料にしたシルクレイは強靭で軽くそして自然素材なのでエコである。このシルクレイこそが『陸王』の要となるのです。

飯山はシルクレイの開発に巨額の資金を投じ、立ち行かなくなった会社をたたんでいた。会社を失い猜疑心の塊になっていた飯山に協力を仰ぐのは並大抵の事ではなかったのです。

この本で飯山は主人公の宮沢と並ぶか、それ以上の存在感を放つ存在でした。1/3位は飯山とシルクレイの話なんじゃないかと思うくらいのエピソードの多さです。

飯山と大地の師弟関係がピッコロと悟飯のようだ

宮沢の息子の大地は就活で失敗し、家業のこはぜ屋を手伝っていた。宮沢の指示で陸王のソールに使用するシルクレイの開発を飯山と共に行うことになります。始めは飯山の事を半信半疑だった大地も、その仕事への熱意と愛情を目の当たりにして次第に尊敬の念を抱くようになります。

 

この飯山と大地の関係・・・ピッコロさんと悟飯にしか見えねぇ!!

 

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一度そうかもと思ったら、もうそのイメージでしか見れなくなってきた。次第に丸くなっていく飯山が、心を開き始めたピッコロさんと被ります。

栄光と挫折を知った陸上選手、茂木 

『陸王』は言うならば二本立てのような小説です。宮沢達こはぜ屋のシューズ作りが一つ、そしてもう一つが陸上選手達の闘いです。物語はほぼ同時進行に進むのですが、どちらの話も熱気に満ちています。

茂木はダイワ食品陸上競技部の長距離選手で、大学時代は箱根駅伝のエースランナーでした。しかし、レースでケガをして走法に悩んでいる選手だった。

スポーツ選手が使用するユニフォームや用具をスポーツメーカーがスポンサーとして提供するのは知っていましたが、『陸王』では深く掘り下げています。メーカーにとっても自社製品を使用してもうらう事で大きな宣伝になる為、有望な選手に手厚いスポンサードをするのは当然なのですが、選手の側からすると活躍出来なければ手のひらを返されたように自分のもとから去って行ってしまう。ケガをして戦線離脱している茂木はそれを肌で感じていました。

こはぜ屋のランニングシューズでの挑戦と、茂木の再起をかけたへの挑戦が心地よいリズムで交互に読ませる辺りが、さすがだなと思います。

気持ち良い程の悪役も健在

池井戸潤作品には個性的な悪役が多数存在しますが、『陸王』も例外ではありません。こはぜ屋がランニングシューズで競合する、大手メーカーのアトランティスの小原と佐山です。選手をサポートするはずが、商品を履いて宣伝させることしか頭になく読んでいてイライラしてくるほどの悪役っぷりです。

とはいえ、悪役がいなければ話は盛り上がりませんからね。主人公たち零細企業が大企業に挑んでいく、独特の面白さやワクワク感は本作でも健在です。

仕事はチームでするもの

どんな仕事も、一人で何もかもやり遂げると言うのは難しい。誰かの力を借りて、自分の力を貸して、だったら一人じゃ出来なかったことが出来るんですよね。『陸王』を読んでチームワークというものの大切さを改めて実感しました。

こはぜ屋の宮沢も、最初は社内の仲間ですら全員が味方ではなかった。(生活があるから、リスクのある新規事業に賛成するものばかりではない)しかし、宮沢の懸命な姿はそんな人々の心を変えていきます。それは社外の人も例外ではない。

次々と力強い仲間がこはぜ屋の加入していく様は、圧巻といってもいいほどのワクワク感を与えてくれる。

『陸王』のドラマ化はあるのか?キャストを勝手に予想してみる

個人的に大ヒットだった本作ですが、まず思ったのはドラマ化しそうだなぁということです。

難しい用語もほとんど出てこないので、ストーリーは誰にでもすぐに分かりますし、零細足袋屋が大企業にガチンコ勝負を挑むとか万人受けしそうにもほどがあります。サクセスストーリーはみんな大好きですからね。

さらにこはぜ屋の社員をはじめ、社長の宮沢の周りにはぞくぞくと個性的で頼りがいのあるメンバーが集います。悪役としてアトランティスの小原と佐山という憎ったらしさでは抜群の存在感を放つ二人も登場します。

映像化したら間違いなくヒットするだろうなぁ・・・。

 

すでにどこかの局では動いているのかもしれません。となると気になるのは誰を誰が演じるのかと言うことですが、『陸王』大好きな私が独断と偏見によりキャストを選んでみました。

※俳優の事務所や共演NG(あるのか?)などは知りませんので無視しています。

  • 宮沢紘一⇒江口洋介
  • 宮沢大地⇒菅田将暉
  • 飯山⇒吉田鋼太郎
  • 安田⇒平山浩行
  • 正岡あけみ⇒渡辺えり
  • 富島⇒平泉成
  • 茂木裕人⇒竹内涼真
  • 村野尊彦⇒小市慢太郎
  • 小原賢治⇒田中哲司

私のイメージだとこんな感じなんですよね。みなさんはどうでしょうか?

この物語の主人公は社長の宮沢ですが、あんまり前に前にいくタイプではないと思います。どちらかと言うと周りの意見を聞きながら協力を求めていくタイプ。迷ったり、挫けそうになったりもするいわゆる普通の人です。

なので眼力が強すぎる人やアクの強い人は違うかな・・・と思い江口洋介さんがいいかなと思いました。

富島はもう平泉成さんだ!と読んだ時から思っていました、でも年齢が10歳位は上なんですよね~。うーん、どうしてもイメージぴったりなんですけど(汗)

事務所の大人の事情とか予算とかでも変わってくるとは思うのですが、一人くらい当たってくれたら嬉しいなぁ・・・。

まとめ

時間を忘れて読書に没頭することが出来ました。書店で『陸王』を手に取った時は、分厚いから読み終わるのにどの位かかるかなと思いましたが、まさか一日で読んでしまうとは想像外でした。(普段はじっくり読むタイプです)

ついつい、この本の疾走感に私も乗っかってしまいました。池井戸作品はだいぶ読んできましたが、個人的には大企業の話よりもこういった小さい会社の挑戦ストーリーの方が好きですね。『陸王』は本当に素晴らしかった!もしかしたら一番好きかもしれません。(スポーツ物も好きなので)

私は、息子の大地の年齢が一番近いのでやはり共感するものがありました。時間を忘れて仕事に没頭する気持ちよさ、正直うらやましかったです。

 

専門的な難しい言葉はほぼ出てこないし、誰が誰だか分からなくなる事もないので、サラッと読めます。下町ロケットが好きな方はこちらも好きになると思います。ぜひ、読んでみてください。

 

www.tsuwari-hanako.com

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