思春期に「お父さんがキモい」と思っていました
少し前に「お父さんがキモい理由を説明するね」という本を読みました。
これは「娘と父のマジトーク」と言う人気コラムを書籍化したものなんですが、なかなか興味深い内容でした。このお父さん、正直読んでいてキモいと思ってしまった箇所は何か所かあります、すみません。(娘の彼氏の条件を考える所とか、娘の恋愛を想像するところとか)
何を隠そう私も思春期には「お父さん、キモい」と思っていた娘でした。
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そして昨日こちらを読みました。
ブコメでの叩かれっぷりを見て驚きました。娘が父親を「気持ち悪い」と思い避けることは、姉妹や周りの友達を見てもそんなに珍しいことではないと思っていたからです。
確かに、お父さんの靴を外に出したり休日一緒に過ごすのを嫌がったり、今思うと酷いなぁと思います。生物学的に仕方のないこと(かどうかは定かではないけど)で済まされることではない、家族を傷つける行為だと思います。
でも思春期のあの頃、私はそこまで考えの及ばない子供でした。
親ならある程度は何をしても大丈夫という変な自信というか思いがあったのだと思います。
でもこれだけは確実に言えるのですが、「お父さんがキモい」=「お父さんが嫌い」という訳では決してありませんでした。
お父さんが急にキモいと感じるようになった
私がお父さんをキモいと感じるようになったのは小学校6年生の時です。
それまでは仲の良い親子で、休日には買い物をしたりゲームをしたり楽しく過ごしていました。友達の中には、お父さんの後にお風呂は入らないとか、洗濯物は別にするとかしている子はすでにいましたが私は全く気にしませんでした。
お父さんは私たち姉妹のことを名前+ちゃん付で呼んでいたのですが、ある日突然それが物凄く気持ち悪く、違和感を感じました。何故急にそう思ったのかは今でも分かりません。
「ちゃん付けで呼ばないで!」
そう言った時、父が悲しい顔をしたのを見て心が少し痛みました。しかし、それからどんどん私の感情はエスカレートしていき次に触れられるのがキモいと感じるようになりました。
私たち姉妹が大好きな父はすぐに冗談を言ってちょっかいを出すのですが、その時に腕や肩をツンツンとつつかれたり、トントンと叩かれることに嫌悪感を抱きました。
「キモいから触らないで!」
今考えると酷い言葉です・・・。でもお父さんを傷つけようとして口にしたのではなく、本当にそう思ってしまい耐えられなくなったのです。それ以外には、
- お父さんがいない時に外食に行く
- お父さんと買い物に行きたくなくなる
- お父さんと話をしたくなくなる
- 相談する時はお母さんにする
洗濯物とお風呂に関しては、本当は嫌だったけど我慢しました。でも姉妹で嫌だよねとこっそり話し合ったことは何度もあります(汗)
大人になるとお父さんがキモいと感じなくなった
思い返せば、私がお父さんをキモいと感じていたのは小学校6年生~高校3年生生位の期間でした。長いですね~~~、個人差があると思いますが平均の範囲内ではないかな。
大学進学すると同時に家を出て一人暮らしをさせてもらったのですが、その位からお父さんに思春期に抱いていた感情は綺麗に無くなりました。
一人暮らしを始めてまず思い知ったのは「家族のありがたみ」でした。
玄関を開けてシーンとしている環境に慣れるまではしばらくかかりました。ご飯や掃除洗濯を当たり前ですが自分ですることも慣れないので苦労しましたし、家に一人でいる時は心細く寂しい思いをしました。
そんな経験をして実家に帰省すると、お父さんにずっと感じていた「キモい」という感情が出てくることはなくなりました。この時に私は、
「あぁ・・・、大人になったのだな」
と自分で気付くことが出来たのです。
就職し父の偉大さを知る、結婚し母の苦労を知る、子供を産んで親の愛を知る
就職して父の偉大さを知りました。
わが家は共働きですが、大黒柱は父です。就職してからずっと同じ会社に勤めている父を心から凄いと思いました。思えば仕事の愚痴はほとんど聞いたことがありませんでした。
夜遅くまで働いて家族を養い、休日は私たち姉妹を連れて公園や遊園地に連れて行ってくれた父。疲れたそぶりは見せませんでした。家でゆっくり寝ていたかったこともあったと思いますが、土日は私たちと遊び尽くしました。
朝から起こしてアニメを見させてごめん、アイスが食べたいとごねて買いにいかせてごめん、キモいと言ってごめんなさい。
結婚して母の苦労を知りました。
結婚して、働きながら家事をすることの大変さを痛感しました。一人ならご飯は適当に済ませられるけど、家族がいたらそうはいきません。
帰りの遅い父に代わっていつも面倒を見てくれていた母、ご飯もいつも手作りで美味しくてそれが当たり前に思っていましたがそうでは無かった。朝早く起きてお弁当を作り、朝食を作り出勤するのは大変だったと思います。
子供を産んで親の愛を知りました。
子供はまだ1歳ですが、とてつもなく可愛くて愛しい存在です。目に入れても痛くないとはこのことだと思います。
この子の為なら何でもしてあげたい!
絶対に幸せに育ててあげたい!
毎日そう思えば思うほど、自分もどれだけ親に愛されていたのだろうと思うのです。実家には幼い私の沢山の写真とビデオがあります。どんな気持ちで撮ってくれたのだろうと、今なら分かります。沢山沢山愛して育ててもらいましたが、親になってそれが痛いほど分かるようになりました。
キモかったけど嫌いではなかった

photo credit: gromin Two via photopin (license)
父には、自分の感情の変化に戸惑いありのままをぶつけてしまって申し訳ないことをしました。大人になった今なぜあのような感情が一時的に芽生えて、そして消えていったのか不思議です。
キモいと言いながらも私は父のことが嫌いではありませんでした。
嫌いだと思ったことは今まで一度もありません。キモい=嫌いでは決してありません。思春期に「好きか?」と聞かれれば「ふつう」と答えてしまうと思いますが、家族として好きです。
個人的には子供から大人になる為の準備期間のようなものかと思っているのですが、そんな風に思わないで大人になる方もいるでしょうし難しい問題です。
ただただ幼かった、親に甘えて感情を思いのままぶつけていたとしか言いようがないのですが父を傷つけてしまったことには変わりがありません。これからは親孝行をして大切にしようと思います。
今娘さんに辛い態度をとられてしまっているお父様方、決してキモいは嫌いということではないのです。自分でもコントロールが効かないのです。許してくれとは言いませんが、この世の終わりとばかりに傷つかないで・・・、大人になれば変わります(たぶん)
娘が十数年後に私のようになった時、どんなフォローが出来るかが私の腕の見せ所だろうと今から待ち構えているところです(キモく思わなければそれはそれでよし)
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