人気絵本作家であるヨシタケシンスケさんが、自身の育児経験を元に書いたイラストエッセイ。
『ヨチヨチ父 とまどう日々』を購入し、早速読んでみました。もともとヨシタケさんの絵本は大好きで、いくつか持っているのですが・・・
笑えると評判のこのエッセイで不覚にも泣いてしまいました!(笑)
それ位、育児中の私の心に響いたんですね。娘は2歳になり、1人で出来ることも増えてきましたが、大変だった赤ちゃん時代を思いだします。
辛かったこと、そして幸せだったこと。その気持ちを再び思いだせて良かった。
『ヨチヨチ父』というタイトル通り、主にパパ目線で慣れない育児に奮闘する様子を描いたものです。パパはとっても共感できるはず、そしてママは「パパはこんなこと思ってたのか・・・」とちょっと衝撃の内容もアリ。
「ヨチヨチ父」って何だ?育児に奮闘するパパが愛しい

「パパは共感。ママは落胆。」
なんだかこの、帯のキャッチフレーズだけでもクスッと笑ってしまいます。
ママっていつもイライラしてる・・・かな?
パパって何か蚊帳の外にしてる・・・かな?(汗)
ちょっと主人に申し訳なくなるような言葉。主人はめちゃくちゃ共感するらしい。(いつもイライラしてるんだ!ごめん)
二児の父であるヨシタケさんが経験して感じたまさにパパ(ママ)あるあるなんです。
慣れない育児に奮闘し、ママの怒りを上手にかわし、わが子との生活の中で親がどのように成長するのかが沢山詰まっています。
パパはお腹の中で育てていたママと違って、産まれて初めて子供を身近に感じます。パパとしてはまだ、ヨチヨチ歩きをしている状態なんですね。

「ヨチヨチ父 とまどうう日々」p4 ①正直な感想より
子育てをしている(していた)親なら誰しもが、「分かる~!そうそう!」頷きたくなるような出来事を、イラストと言葉で描いています。
上記写真のように、1~55まで見開きの四コマ漫画のような形で載っているので、本を読むのが苦手な方もサラサラ読めます。
ヨチヨチ父で私がとても共感したものはこれだ!

私がヨチヨチ父でより共感した物を紹介します。
※ネタバレ(と表現するのも違う気がしますが)もあります。絶対に内容を知りたくない方はお気を付けください。
11.赤ちゃんのにおい
私も娘が赤ちゃんの頃は大好きだった「赤ちゃん特有のにおい」
そういえば以前にこんな記事も書きました。この中でも、赤ちゃんの何とも言えない良いにおいについて書いています。
ヨシタケさんはこのにおいを「育児における数少ないごほうび」と表現しており、本当にその通りだと思いますね。
パパママは今のうちに沢山吸い込んでおかないといけません。今限定の良いにおいはそのうち消えてしまいます。
娘から、甘くて可愛くて幸せなこのにおいが消えたことに気付いた時は、本当に寂しかったなぁ・・・。
23.にわかファン
ママはお腹の中で赤ちゃんを育てます。つわりや切迫や体重制限など、様々な苦労を乗り越えて出産。
生まれるまでにすでに二人の絆は深まっていると言っても過言ではありません。
パパは最初はどうやっても赤ちゃんの「にわかファン」にしかなれない訳です。
だから、ママはパパに育児でダメだしされるとムッとするんだと書いています。
これを例える例が素晴らしくて、いつも応援しているスポーツチームは、苦楽を共にし勝利をより喜べる。でも、いつも試合を見てもいない人に「全然だめだね」と言われるとムッとするのと同じ・・・と。
な~るほど!この例えは男性も納得するのではないでしょうか。私もあの時のイラっとした気持ちはこれだったのかと納得。
24.何より大事なこと
ヨシタケさんは育児の大変度合いは「赤ちゃんが夜にまとまった時間寝てくれるか」で大きく変わると書いています。
睡眠時間は人の何もかもを奪っていきます。体力・余裕・思いやり・・・眠れないとそんなものは全部ぶっ飛んでどこか彼方へ消えてしまうんですね。
本当に・・・そう。眠れないのは辛い。
私たちも娘がまとまって寝てくれるようになり、やっと解放されたような気持になりましたもん。
27.許される力
赤ちゃんの顔は何ものにも代えがたい「許される力」を持っているそう。
確かに、すやすや眠る顔やにっこり笑った顔、泣きべそをかいた顔までどんな顔でも愛しい。自分の子だけじゃなくて、他のお家のお子さんもみ~んな可愛いと思います。
「赤ちゃんだった頃の写真を全員首からさげないといけない日」を作ったら、その日はみんなちょっとだけやさしくなれるんじゃないでしょうか。
絶対なれます!ちょっと意地悪なあの人も、ムカつくあの上司も、嫌なあのおばさんも、みんな可愛い赤ちゃんだったんだよね。
31.同じでありたい
「うちもそうだよ!」
「そんなの普通だよ。全然へーきへーき」
育児で悩んだ時に、こうやってまわりから言ってもらえるとすごく安心する。私だけじゃなくてヨシタケさんも、いや、みんなそうなんだ!?と思ってさらに心が軽くなった。
これは日本人っぽい考え方なのかな?他人かぶりたくないと思っていても、子供のことは心配になる。
44.人生のピーク
言葉の成長がちょっとゆっくりめな娘。同い年の子が、もう2語文3語文をペラペラ話しているのを見て焦っていました。
ヨシタケ家の家訓には、「人生のピークは遅い方がいい」というものがあります。
この言葉を聞いてすごくほっとしました。
何の根拠もないと思うのですが、ヨシタケさんの周りでは「元・神童」たちが、その後の将来にあんまりパッとしない方が多いんだとか。
成長曲線はゆっくりでも、いつかしっかり成長してくれればいいですもんね。
育児に悩む方、笑って元気になりたい方は「ヨチヨチ父」を読むべし!

「この本はヨシタケさんが贈るママパパへのエールだ!」
読んだ時に本当にそう思いました。だって私はすごく元気が出たのです。
育児って幸せなはずなのに、それだけではない。大切な時間のはずなのに、「もう嫌だ」と思ってしまう瞬間がきっと誰にもあると思う。
そんな時にこの本を読むと「まだまだ自分は親として成長途中なんだなぁ・・・」と改めて気付かされます。
子供が生まれた時、初めて寝返りをした時、可愛い声で「ママ」と呼んでくれた時、
泣き止まなくて眠れなかった夜、離乳食を食べなくて悲しかった時、泣いている理由が分からなくて呆然とした時、
全部全~部、親として成長していたんですね。あの時も、あの時も、あの時も。
今育児に悩んでいるママも、笑って元気になりたいパパも、昔を思い出したいじぃじばぁばみんなが読んで幸せになれる本です。
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