2018年公開の「かがやけ!クルンといのちの星」はアンパンマン映画通算30作品目。
30周年記念作品として相応しいストーリーと面白さで、私の中では間違いなく歴代映画トップ10に入ります。
アンパンマンとバイキンマンが同じ敵に立ち向かい共闘するという熱すぎる展開!
昔の極悪非道なバイキンマンを見て育った親世代が驚くほど、本作のバイキンマンは可愛らしくてかっこいい。
親子で観た私が親目線で感想を書きました。ネタバレしていますので未視聴の方はご注意ください。
「かがやけ!クルンといのちの星」1分で分かるあらすじ
昔、「いのちの星」が空からたくさん降ってきてこの世界はつくられた。
何もなかった暗い世界に緑が芽吹き、美しい水が流れ、命が与えられたのです。そして後にアンパンマンにも命を与えた「いのちの星」
本作ではいのちの星が生まれる場所「いのちの星の故郷」に危機が訪れます。
そんな時、突然現れたクルンは自分の事が何も分からない不思議な子。でもクルンは「いのちの星」の事がなぜだかとても気になるのです。
次々と降ってくる黒い星により町や他の星が侵食されていく中、アンパンマン達はいのちの星の故郷を救うため宇宙へ出発します。
アニメ第一話に登場した「いのちの星」に、アンパンマン映画30作品目にして再びスポットを当てるという粋な演出。
ゲストキャラのクルンを演じるのは女優の杏さんです!アンパンマン映画はゲスト声優が本当に酷い時が多々あるのですが、本作は個人的に馴染んでいたと思います。
災いの元凶はバイキンマン?他人事ではないゴミ問題
たくさんのいのちの星が煌めく宇宙。星の流れの中から外れたいのちの星を、迷子にならないように導いている星がいます。
そこへ宇宙にできた穴から突然出てくる沢山のゴミ。
実はこれ、アンパンマンに戦いで負ける度に大量に出るバイキンマンのメカの残骸なのです。
バイキンマンが作ったゴミ処理装置にどんどん吸い込ませたゴミは、宇宙のいのちの星の故郷に捨てられていた。
いのちの星はどんどん黒くなり、輝きが失われて行きます。まるでゴミで汚れてしまったかのよう。
アンパンマン映画でゴミ問題や環境汚染をテーマにした作品といえば「ゴミラの星」が有名ですが、本作も私たちにとって他人事ではないゴミが原因で災いが起こります。
バイキンマンは知らなかったとはいえ、宇宙にゴミをポイ捨てしていたんですね。
クルンが問う「なんのために生まれてきたの?」
星の妖精のような姿をしたクルンがバイキンマン城に現れます。
自分が何者か?どこから来たのか?何も覚えていないクルン。記憶喪失になってしまっているのかな。
正直、いきなり現れたらかなり怪しいと思うんだけど一緒に遊んであげるバイキンマンたち。いつも悪さばかりしているけれど、こうやって子供みたいに遊ぶんですね。
バイキンマンはなんのために生まれたの?
アンパンマンに勝つための研究、アンパンマンへの敵対心を不思議に思ったクルンはバイキンマンに聞きます。
「どうしてアンパンマンをやっつけようとするの?」
それに対しバイキンマンは迷うことなくこう答えるのです。
「アンパンマンをやっつけるためにバイキン星からここに来たんだ」
アンパンマンをやっつけることがバイキンマンの生まれた意味であり、生きる意味でもあるのです。ずっとブレないバイキンマンの信念。
アンパンマンはなんのために生まれたの?
バイキンマンとはぐれてしまったクルンは、アンパンマン達と共に過ごすようになります。
困っている人々を助け、自分の顔をあげるアンパンマン。そんなアンパンマンを見てクルンは不思議に思い聞きます。
「どうして困っている人を助けるの?」
いのちの星にいのちをもらったアンパンマン。自分が人々を助ける理由、守る理由をクルンに教えます。
「困っている人を助ける為に生まれてきたんだよ」
アンパンマンは皆の喜んだ顔を見ると体の中があったかくなって嬉しいのです。だから頑張れる。アンパンマンは自己犠牲だとよく言われますが、人の為だけではなく自分の為でもあるというのが救いだなぁ。
役目を気付くことが出来るのは幸せなこと
クルンはメロンパンナたちにも「なんのために生まれたの?」と聞きます。
けれども誰も答えられない。
すぐに答えられたのはアンパンマンとバイキンマンだけなんですね。なにこれ、めちゃくちゃ熱い。
ジャムおじさんはクルンに言います。
「この世界に生まれた命にはすべてに役目がある。その役目に気づくことが出来たらとっても幸せなこと」
アンパンマンとバイキンマン、二人の答えは全く違いますが「自分の生まれた意味」を知っている。それはとても凄いことなのです。
アンパンマンの顔を食べることはバイキンマンには許されない
黒い星が町のいたる所を侵食しはじめ、いのちの星の故郷が危機に陥っていることを知ったアンパンマン達。いのちの星の故郷を救うために宇宙へ出発します。
追いかけてきたバイキンマンはクルンを捕まえるのに失敗。二人とも谷底へ落ちてしまいます。
飛べないバイキンマンをクルンが助けようとしますが力及ばず、二人とも絶対絶命のピンチ。そんな時に颯爽と現れるアンパンマン。
当たり前にバイキンマンも助け「当然でしょ?」と言わんばかりの迷いない行動こそがアンパンマンであり、彼がヒーローである所以なのでしょうね。めちゃくちゃカッコいいよ。
さらに空腹で動けないバイキンマンに、アンパンマンは自分の顔をバイキンマンに差し出すのです。
空腹と自分の信念の狭間で揺れるバイキンマン。
アンパンマンに助けられた事も屈辱ですが、アンパンマンの顔をもらって助かるなど絶対に許せません。
「アンパンマンの顔なんか食べられるか!」
あんなに食いしん坊のバイキンマンですが、空腹を必死に堪え食べません。
バイキンマンどうして食べなかったのか不思議に思うクルン。それがバイキンマンの生き方なんだよ。
アンパンマンを倒すのは・・・
いのちの星の故郷はバイキンマンが捨てたゴミの山。
過去の失敗作たちは倒しても倒しても再生するのでキリがない。それを操るゴミの集合体には大きな目があり、意思を持って攻撃してくるようだ。
黒い星のパワーを利用してアンパンマンを倒そうとするバイキンマンですが、そのパワーを制御することが出来ません。
ゴミたちは捨てられた恨みからバイキンマンをも攻撃しはじめます。自分の作ったメカの失敗作に囲まれ絶対絶命のピンチに陥るバイキンマン。
そこへ助けようとしたアンパンマンが身代わりになり、ゴミの中に閉じ込められてしまいました。
ショックを受けて言葉を失うバイキンマン・・・。
ゴミに押しつぶされアンパンマンの中にあるいのちの星が次々に抜けていきます。これが全て抜けたらアンパンマンは命を落としてしまうのです。
ここからの展開が超熱い。
特に昔の極悪非道なバイキンマンを知っている世代の私たちにはかなりくるものがありますね。
アンパンマンを助けようと仲間たちが懸命に攻撃する中、なんとバイキンマンも立ち上がります。「こんなところでなにをしているんだ」と言うセリフで泣きそうになる。
アンパンマンを倒すのは自分でなければならない。だからここでアンパンマンがいなくなることはバイキンマンには許せないのです。
いつも悪いことばかりして、みんなを困らせ、アンパンマンに勝負を挑み負けているバイキンマン。
そんな二人が同じ敵に向かって共闘する展開・・・待ってました!!!
最後の戦闘がどうなったのかは是非映画を観て欲しい。
「クルンといのちの星」はぜひ子供と観たい
アンパンマン映画は子供には敵怖い作品、テーマ自体が少し難しい作品も多々あります。
でも「クルンといのちの星」はそこまで敵のビジュアルも怖くなく、この映画で伝えたいことも今までの映画やアニメで何度も出てきているテーマなので理解しやすいかと。
特に最後の戦闘シーンの盛り上がりは、子供の頃に観ていた親世代もかなりワクワクする展開。
親子で一緒に観て楽しめる作品であることは間違いないでしょう!どれを見ようか迷ったらおすすめの一本です。
アンパンマン映画のおすすめランキングを作りました。
もちろん「クルンといのちの星」も入っています!興味のある方、ぜひご覧ください。
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