トイ・ストーリーが大好きな子供(4歳)と一緒に「トイ・ストーリー4」を観てきました。
1996年に日本で「トイ・ストーリー」が公開された時に小学生だった私が親になり、今度は子供とウッディ達に映画館で会えるなんて幸せだ。
トイ・ストーリー4の結末には賛否両論あり、これは日本も海外も同じなようです。
私はトイストーリーが大好きですが、どちらの意見も分かるなぁと思いました。特に3が大好きなので辛口になってしまっている部分があります。
この記事では前半は物語の核心に迫るようなネタバレは無しで、映画の雰囲気が分かるように書いています。
その後【以下ネタバレ】の部分以降は映画を親子で観た感想をネタバレありで書いていますので、未視聴の方はご注意ください。
トイ・ストーリー4をネタバレなしで紹介する
トイ・ストーリー4 すぐに分かるあらすじ
前作で大人になったアンディからおもちゃを譲り受けたボニーという女の子。月日が経つとウッディに興味を示さなくなり、遊んでもらえなくなったウッディは必死に自分の役割を探そうとします。
ある日ボニーが幼稚園で作ったおもちゃフォーキーに命が芽生え、ウッディはボニーの為に彼の世話をしますがフォーキーが脱走。
彼を追いかけてきたウッディが再会したのが、前作トイ・ストーリー3から突然いなくなった陶器の羊飼い人形ボー・ピープ。
彼女は持ち主のいない”迷子のおもちゃ”になり毎日自由に過ごしていると言います。そんなボーと一緒に行動するうちにウッディの心にも変化が現れ・・・
トイ・ストーリー4の新キャラ声優
いつもは字幕派でもトイ・ストーリーは吹き替えで観るという方も多いですよね。
私もウッディの声はトム・ハンクスよりも唐沢寿明だし、バズの声はティム・アレンよりも所ジョージのイメージなんですよ。子供の頃から観ているからでしょうね。
そして、トイ・ストーリー4には新キャラクターが沢山登場します。
- フォーキー 竜星涼
- デューク・カブーン 森川智之
- ダッキー 松尾駿(チョコレートプラネット)
- バニー 長田庄平(チョコレートプラネット)
- ギャビー・ギャビー 新木優子
- ギグル・マクディンプルズ 竹内順子
今回も吹き替えで観たのですが、チョコレートプラネットのお二人がすごく上手!
もうダッキー&バニーはこの声じゃないとだめだと思う。
新木優子さんもオーディションを勝ち抜いただけあってギャビーギャビー上手くてびっくりしました。女優さんの吹き替えって残念なことが多いので・・・
新キャラの声優さんたちは、トイ・ストーリーの世界観にとても合っていましたので吹替え派の方も安心です。
主題歌「君はともだち」が新録版で嬉しい
ダイヤモンド☆ユカイさんが歌う主題歌「君はともだち」が新録版になっています。
小学生の頃はこの歌をウッディ(唐沢寿明)が歌っていると本気で思っていました。声の感じが似ているんですよね。
トイ・ストーリー4は映像美がスゴイ
CG技術の向上でトイ・ストーリー4の映像美はものすごい事になっていました。
わが家にある「トイ・ストーリー」のBlu-rayを見直してみましたが、全然違いますね。特にボー・ピープの質感がトイ・ストーリー4ではまんま陶器のそれなんです!
ボー・ピープの原材料であるポーセリンを徹底的に研究してこんな素晴らしい映像が出来たそうです。
#ToyStory4 (3/5) pic.twitter.com/vWE6yZLlA3
— Toy Story 4 (@toystory) 2019年6月26日
ボーの肌に光が反射し、時折ツヤツヤと輝いて見える時があります。これも全て計算されて作られているんですね。
フォーキーのモールのちくちく感、ギャビーギャビーの髪の毛の人形特有のパサパサ感、ダッキー&バニーのふわふわ感も超リアル!
さらには冒頭の雨のシーンの落ちてくる雨粒や、ウッディ達が雨で濡れて光が反射する様まで息をのむほどに美しいのです。
【ここからネタバレ注意】ボニーに選ばれないウッディ
これ以降はトイ・ストーリー4の内容に触れるにあたってネタバレを大いに含みます。未視聴の方はお気を付けください。
ウッディが必要とされていない様子を見るのがこんなに辛いと思わなかった。
おもちゃたちの新しい持ち主であるボニーは相変わらずおもちゃと楽しく遊んでいますが、仲間たちの中で何故かウッディだけが遊んでもらえません。
前作の3でアンディとの別れ、ボニーとの出会い、おもちゃが次世代に受け継がれるラストを観て感動の涙を流したのにそれがこんなにも早く裏切られたようで悲しかったです。
アンディとの約束
アンディがボニーにおもちゃを譲ったのは「おもちゃを大事にする子」だったから。
更には、みんなのことを大事にしてくれる?ウッディと遊んでくれる?とボニーと約束しておもちゃを譲ったのです。
新しい持ち主の元で幸せに暮らしていると思ったのに・・・
アンディとの約束や3での感動のシーンは何だったの?となりますが、ボニーと同じくらいの子供がいる私にはかなりリアルだなぁと感じます。
ボニーの変化に関する考察はかなり長くなってしまうので別記事に詳しく書いています。
君のために
ウッディはボニーに選ばれずお気に入りにはなれません。
それでもウッディはボニーを心配しボニーの幸せの為に自分に出来ることを探します。
幼稚園に付いていき見守るべきだと主張するウッディはまるで過保護の親のよう。ドーリーからやめろと注意されおもちゃの仲間たちの中でも空まわっていて辛い・・・。
そして見つけたウッディの仕事。
ボニーが幼稚園で作ったごみフォーキーのお世話です。ゴミ箱に入ろうとするフォーキーを必死で追いかけまわすウッディの姿は哀愁も漂っているように見えましたよ。
それでもすべてはボニーのため。
アンディのおもちゃだった時はあんなに生き生きしていたウッディ、今は全然楽しそうじゃない。
トイ・ストーリー4の結末は私はとても寂しいものだったけれど、ボニーの家でのウッディを見ていると仕事・義務でここにいるというのがありありと描かれていてこれはこれで辛いなぁ。
ギャビーギャビーのボイスボックス
ウッディとフォーキーがアンティークショップで出会ったギャビー・ギャビー。
ウッディのように背中の紐を引っ張ると声が出るおもちゃだが、肝心のボイスボックスが壊れていて上手く音が鳴らない。
状態の良いウッディのボイスボックスを奪おうとフォーキーを拉致。
フォーキーを人質に取られた状態で、無理やりボイスボックスを渡す事を承諾させられるこのシーンが観ていてしんどかった。「私を離さないで」が頭の中を駆け巡る。
アンディが大切にしていた大事なおもちゃのウッディ。
いつも万全の状態で遊べるようにメンテナンスを欠かさなかったよね。
あんたは俺の相棒だぜ
ボイスボックスを奪われたせいであの声が二度と聞けなくなってしまった。
ギャビー・ギャビーは本作では悪役だが、完全な悪としては描かれておらず可哀そうなシーンもあるのだが、ウッディの大事な”声”を奪った事には違いない。
この部分は未だにもやもやしてしまって、ウッディから奪わずにギャビー・ギャビーのボイスボックスが直る展開だったならどんなに良かったかなぁ。
ウッディとボー・ピープ
9年ぶりに再会したボー・ピープは以前とは全くの別人になっていました。
子供から捨てられ→アンティークショップで飾られ→店を逃げ出す→持ち主のいない”迷子のおもちゃ”
ウッディ達と離れてから色々と苦労してこんなにたくましくなったのでしょう。勇敢で行動力があり、頼れるリーダーになっていました。
近年のディズニー・ピクサーが大好きな自立した女性像ですね。
ボーが3から突然いなくなったのでどうしたのかと心配していましたが、元気な姿が見られたのは純粋に嬉しい。
でも、ウッディとボー・ピープの恋愛描写には私は少し否定的。
この世界ではおもちゃに意思があり、自由に行動出来る。それならば恋愛感情が芽生えても良いとは思います。
ポテトヘッド夫妻やバービーとケン、バズとジェシーなどもそういったシーンがありましたが今回はちょっと露骨だったというか・・・
ボーへの感情がウッディがラストで下す決断に関わるほど大きいものだというのがちょっと気になりました。
意思のあるおもちゃではなく、人間に近い存在になっているような気がするのです。
あくまで「トイ」ストーリーであり、この作品ではそういった展開は私は望んでいませんでした。
トイ・ストーリー4の結末。賛否両論は仕方ないと思う
トイ・ストーリー4ではウッディはボニーの元を離れ、ボー・ピープと一緒に旅立つことを決めました。
それはバズやジェシーたち仲間との決別を意味します。これがもうとんでもなく悲しい。
ウッディが苦悩と葛藤の末に自分の生きる道を決めた。
子供に遊んでもらえず、自分の役目が分からなくなってくすぶっているよりも、外へ飛び出せばこんなにも広い世界が広がっているんだと。
アンディに愛され沢山の幸せをもらったウッディ。これからは自由に冒険しながら、まだ持ち主と出会えないおもちゃたちの助けになる。
ウッデイの決断を応援したい気持ちはもちろんあります!
でも、私がトイ・ストーリーに一番求めていたのは「あ~みんな良かったね!」という観終わった後の幸福感でした。だから3が大団円で幕を閉じるのには何度みても号泣してしまいます。
トイ・ストーリー4ではそれを味わうことが出来ず、その代わりに悲しさとモヤモヤとした消化不良な気持ちがいつまでも残っています。
個人的にはこの結末が賛否両論あるのは当然だと思っていて、私なりに「否」の部分を考えてみました。
ウッディがボニーから離れるということ
ウッディはボニーの家に帰らず、ボーと所有者のいないおもちゃとして自由な冒険へ出かけることにした。
個を大事にする時代、自由に生きる時代の今、ピクサーがこのような結末を選んだことも分かります。
それでも、アンディがボニーに託したウッディが勝手にいなくなると言うことはボニーだけではなくアンディも傷つけることになりますよね。
アンディが後にウッディがいなくなった事を知ったらどう思うでしょうか?
ボニーの家とは近所で親同士が知り合いだし、いくらでも知る可能性はありますよね。その場面を想像すると胸が張り裂けそうなほど辛い。
ウッディがそのことを考える描写がなかったのが残念でした。
バズと仲間たちについて
トイ・ストーリー4のバズは自分の心の声を聞くことにとにかくご執心。それに従いセカンドチャンスではウッディを置いていくなど今までのバズとはなにか違う。
極めつけはウッディがボーと一緒に行くことを決めるシーン。バズ、あっさりしすぎではありませんか?
最終的にウッディの決断を尊重したとしても、もっとバズがウッデイとの別れを苦悩するシーンが見たかったかなぁ。
そして新キャラが多く活躍するのはいいのですが、歴代のメンバーももっと活躍させてよ・・・。ずっと車に残っていたメンバーが色々と理解するのが早すぎてこの辺は違和感感じました。
ウッディの一番すごいところはね
ウッデイの一番すごいところは友達を見捨てない、絶対に
なにがあってもそばにいてくれるんだ
3でアンディはこう言っていたけれど、4ではバズや仲間たちと離れボーと共に行くことになった。持ち主であるボニーとの別れのシーンもない。
この言葉が今となっては切なく聞こえてしまうのです。
ウッディは友達を見捨てない。ずっとそばにいてくれる。
アンディのこの言葉はどうなるのでしょうか?次回作への伏線でしょうか?(←期待)
“ウッディのすごいところ”はアンディのおもちゃだったから発揮されていたのかなぁ。
ボニーのお気に入りになれなかったけれど、もしかしてウッディもそれを心から望んでいなかったのかもしれない。
やっぱりウッディにはアンディしかいなかったんだ。
トイ・ストーリー4の結末を観て涙を流したわが子
トイ・ストーリー4はコメディシーンも多く、わが子もニコニコの笑顔で時には笑い声がこぼれ楽しそうに観ていました。あの結末に向かうまでは・・・
すでにこの作品をご覧になった方は分かると思うのですが、4は小さい子供には難しいストーリーです。
トイ・ストーリーの公開から20年以上経過していて、その続編ですので大人が楽しめるように作られているのは分かります。しかし、それにしてもテーマが難解でした。
この映画のラストには賛否両論あるようですが、「自己実現」や「持ち主からの自立や解放」というのは子供には伝わり切らないだろう。
子供はなぜウッディがいなくなるのか分からなかった

ボニーはウッディがいなくて悲しくないの?
こう言って全く納得できていない様子。
そして「ウッディとバズは“あいぼう”だから一緒にいないとだめでしょ!」「アンディーにウッディを大切にするって約束したでしょ!」と映画館からの帰りの車で泣き出してしまいました。
「どうしてウッディはどこかに行っちゃうの・・・?」もうこんな事を言われたら私まで泣きたくなる。
でも、難しい事は分からない子供のリアルな感想なんですよね。
ウッディとジェシーの人形を持って意気揚々と出かけたのに、観終わったわが子の表情が悲しげで切なかった。
子供がこの悲しい結末を観たらそりゃあショックも受けるよね。
トイ・ストーリー5がもしもあるのならば
ある意味「想像を超える結末」で間違いはなかった本作。
トイ・ストーリー3はラストまで完璧な作品だったのでそれを超えることは簡単ではなかったですね。
「トイ・ストーリー3で終わりにすれば良かった」「トイ・ストーリー3は超えられなかった」
というような声もネットではかなり多く、こうして比較されるのはナンバリング作品の宿命ですね。それだけ思い入れが強い愛されている作品だからこそですが。
私は勝手にトイ・ストーリー5はもしかしてあるのかもしれないという淡い期待をしています。
こんな切なく寂しいフィナーレがあるでしょうか?
ボイスボックスも失い、保安官バッジも失ったウッディ。再びアンディのように愛されることを放棄してしまったかのようで悲しいです。
ボーと旅に出たウッディはこのままバズや仲間たちと離れ離れになり、冒険でボロボロになり、命を終えるなんて本当にやめて欲しい。
彼が自分の意思で動き決断した道かもしれないけれど、また仲間がみんな揃っているところが見たいよ。
「アンディの子供と一緒に遊ぶ」という3でウッディが言っていたことは伏線だと思っていいんですよね?
もともと本作で3を超えるつもりはなく、次の5で超えるつもりなんですよね?
トイ・ストーリー5で究極に盛り上がる為に、ウッディと仲間達を引き離したんだと数年後伏線回収してくれることを祈ります。
お子さんとトイ・ストーリーを観に行く予定のある方はこちらの記事をご覧ください。