妊娠悪阻で入院3回、嘔吐数百回「つわりは気の持ちよう」と言えますか?

妊娠中につわりが酷く辛かった方の「つわり体験記」を紹介しています。

様々な症状、環境を耐えた妊婦さんの貴重な体験記は、今つわりが辛いあなたの苦しみを代弁してくれるはず。

  • ことりさん(20代後半)(@kotorisannnnnn
  • つわり開始時期 妊娠6週
  • つわりのピーク 妊娠7週~16週

重症妊娠悪阻で3回の入院、数百回は嘔吐したと言うことりさんに妊娠悪阻の体験記を書いていただきました。

経験したつわりの症状

重症妊娠悪阻の診断

妊娠初期~中期まで入院3回(各2週間ずつ入院)

吐きつわり

四六時中吐く。夜中も1時間おきに起き上がって吐き、1週間ほど一睡もできず脱水もあり入院。

寝れないことで精神的にも不安定、気持ち悪いのも四六時中続き、医師に懇願して睡眠薬を出してもらう(万が一の奇形リスクの説明あり)

のちに依存症ぽくなるが、看護師さんに叱られやめる。

水も飲めないのに吐きすぎて何度も胃液、胆汁、血を吐く(何百回吐いたかわからない)

意識朦朧とする。

点滴も栄養不足で血管が細くすぐ漏れてしまい毎日差し替え。

カロリーの入ってる点滴は針が太くて痛い。血管のルートがなかなかとれず看護師さんに代わる代わる刺され、ひとつのルートをとるのに3~5回は刺される(ひどいときは10回)。

テープかぶれで腕に赤いボツボツができ、針の跡の青い内出血、点滴漏れで腫れたり腕はボロボロ。

今でも腕に針の跡が薄く残っている。

唾液つわり

起きている間中口の中が唾液があふれ気持ち悪い。

飲み込めず、蓋つきのアルミ缶に吐く。外出時には人の目が気になる。

唾液つわりがおさまったのは臨月。妊娠期間中ほとんど引きこもりだった。

つわりの時の生活状況

仕事

妊娠が分かり、すぐ職場に報告。

一週間後には会議を途中退席したり、パソコンの画面が気持ち悪くて見れなくなる。休憩室で横になっても気持ち悪さは治らず、早退。(この日が最後の出勤になる)

その後入院などして、結局職場復帰できず退職。

家事

寝たきりだっただったため、できなかった。

実家が遠方のため、退院時は義実家でしばらく療養し、元々里帰り出産予定ということもあり早めに実家へ帰りそのまま出産まで療養した。

つわりピーク時の生活

食事もベッドの上で済ましていました。

自力でベッドから起き上がれず、旦那に着替えさせてもらい、タクシーで点滴のために外来通院。

シャワーも旦那に介助してもらい3~4日に1回ほど。

つわりは何がどう辛かったのか?

つわりの症状自体辛かったが、それに加えて職場の上司からのつわりに理解のない言葉が辛かった。

入院して重症妊娠悪阻の診断書を提出しても、

「妊娠は病気じゃないんだから、ねっ!」

「気持ちの問題もあるからね」

「医者はなんかあったときのために休めとか消極的なことしか言わないでしょ」

「体調管理も仕事のうちよ」

「〇〇さん(同じ職場の妊婦)みたいに平気で働いていた人もいるし」

「つわりなんかで辞めたら後輩に示しがつかないでしょ」

「あのとき産休まで働くって言ったじゃない、代わりの人手なんて今更募集できないわよ」

「そんなんじゃ育児なんてできないわよ、努力しなさい」

仕事に行きたいけど行けない、身体が動かない、情けないのは自分が一番わかっている。

精神面がズタボロになり、嗚咽して泣いた。

毎回職場に電話するのが憂鬱だった。

気持ちの問題で治るならとっくにどうにかしている、と思いつつもつわりで急に倒れてしまい仕事を放って長期休職、結局退職することになった私はすみませんと平謝りするしかなかった。

つわりで体力的にも精神的にもつらすぎてお腹の赤ちゃんをもういらない、死んでしまいたいと本気で思った。

そんな最低な母親である自分を責めた。辛すぎてて頭がおかしくなっていた。

つわりの時の家族の反応

旦那は病院に連れて行ってほしいときは会社を休んで連れて行ってくれたり、私の身の回りのお世話をしてくれたりと献身的に支えてくれた。

入院中つわりが酷く、話すこともつらいときには毎回手紙を書いてきてくれて嬉しかった。

義母はつわりに関してたまに

「気分転換に散歩に行ってきたら?」「昔はつわりなんかで入院できなかったわよ」

と言う人だったが、食事や洗濯など面倒をみてもらえたので感謝している。

つわりを経験した今だからこそ言えること

本当に人生経験の中で悪阻が一番つらかった。

出産や産後の赤ちゃんのお世話もつらいと思うこともあるけど、悪阻に比べると全てマシだと思えます。

「妊娠は病気じゃない」という言葉を何度も言われましたが、だからこそ大変でつわりの治療も対症療法くらいしかできなくてひたすら耐えるしかない。

つわりには個人差があるということを世の中の人に理解していただきたい。

私も今まで職場にいた妊婦さんのように産休までしんどいだろうけど働けると思っていた。

悪阻になるとは予想できなかった。

つわりの妊婦さんに寄り添える方が1人でも多く増えることを願います。

そして、いまつわりで辛い思いをされている妊婦さんへ。

本当につらいと思います。

つわりは気持ちの問題ではありません。あなたのせいでもありません。

もしあなたの周りで理解のない発言をしてくる人がいれば、疎遠にするなど自分を大事にしてください。(ちなみに医療者でも理解のない方がいます。私は転院しました)

少しでも心穏やかに過ごせますように。

 

 

管理人はなこのつわり体験記はこちら

2件のコメント

海外在住で40代男性で、子供は2人おります。はなこさんのtwitterとサイトを見させていただいております。はなこさんの記事で妊娠中の嘔吐が数百回にも及ぶということを初めて知りました。私自身、嘔吐恐怖症気味で、文面からも地獄の苦しみが痛いほど伝わってきます。私は男性なので所詮は想像しかできませんが、はなこさんの記事を読むだけでも汗が出たり動悸がしたりすることがあります。はなこさんのtwitterや記事は妻とも良く話しをしますが、妻は比較的つわりも軽かったため、はなこさんのような方に申し訳ないと常々言っております。また、職場での無理解には、本当にやり場の無い怒りや脱力感を感じたりされたのではないでしょうか。私の住んでいるところでは考えられないような対応や言葉だと思いました。これからもtwitterや記事を拝見させてください。

コメントありがとうございます。
嘔吐恐怖症もとても辛いと聞きます。私の記事を読んで体調を悪くされないか本当に心配です。
無理しないでくださいね。ここまで真剣に読んで下さって感謝しています。
奥様はつわりが軽くて良かったです(*^^*)
妊娠悪阻での嘔吐は私も自分で驚きました。胃に何も無くても人間って吐ける(正確には空気だけ吐いてます)んだと・・・。
妊娠期間で数百回、たぶん私は400回位だと思うのですが、ピーク時は一日何十回という感じで地獄でした。
以前に嘔吐恐怖症の方が妊娠悪阻になってしまったとコメントもらったことがあります。
本当に本当に辛そうでした・・・。
海外で認可されているつわりの薬が日本では認可されていないと聞きます。
職場での無理解は良く聞く話です。それで退職された方も妊娠悪阻では多いと思います。

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